1 はじめに
こんにちは、弁護士のRayです。当ブログにご訪問くださりありがとうございます。
前回途中になってしまっていた法律事務所のタイプ別解説の続きを行いたいと思います。
なお、皆さんの中には、「弁護士事務所」と言う方も多いといると思いますが、弁護士法の第12条で、 「弁護士の事務所は、法律事務所と称する。」と定められているので、正確には法律事務所と呼ぶことになります。マメ知識としてご紹介させていただきました笑
少し話がそれてしまいましたが、さっそく中身に入っていきましょう!
2 弁護士業界内での法律事務所の分類(タイプ)
(1) 四大法律事務所(大手法律事務所)及び外資系法律事務所
こちらの記事(法律事務所・弁護士選びに役立つ!法律事務所のタイプ別解説①)をご参照ください。
(2) 準大手法律事務所
準大手法律事務所とは、概ね所属弁護士数50名程度までの法律事務所を指すことが多い印象です。こちらは、所属弁護士数が一番の基準とされていますが、主な取り扱い業務が企業法務 (企業法務の意味についてはこちらの記事(弁護士の仕事について)をご参照下さい。) である法律事務所のみ対象とすることが多いです。
ジュリナビ2019年全国法律事務所ランキング200では、所属弁護士数50名以上の法律事務所は、所属弁護士数で20位以上にランクインされています。
驚かれるかもしれませんが、20位より下は、所属弁護士数が50名より少ないのです。一般企業に比べて法律事務所はまだまだ個人プレイの世界なのです。
準大手法律事務所の特徴としては、最先端業務もある程度扱っており、かつ、弁護士報酬が四大法律事務所・外資系法律事務所に比べて安いといった点が挙げられると思います。
では、どういった人・会社に向いているかと言えば、あまり尖ったビジネスではなくごく一般的なビジネスをしている企業・個人事業主で、日常の法的問題や紛争を相談したいという方ではないでしょうか。
(3) 中堅法律事務所
中堅法律事務所とは、所属弁護士数20名以上から50名未満程度の法律事務所を指して話がなされることが一般的と思われます。このあたりになると、一般民事事件(一般民事事件の意味についてはこちらの記事(弁護士の仕事について) をご参照下さい。)を主に扱っていようが企業法務を扱っていようが区別無く話されている印象です。
法人や個人事業主からみれば、準大手法律事務所よりさらに報酬が安いという意味で依頼しやすいのではないでしょうか。
個人の依頼者からすれば、以下で述べる(小規模の)一般民事系法律事務所よりは弁護士報酬が高い傾向にある一方、企業法務に軸足のある法律事務所においては、取り扱う一般民事事件の数が多くはないことから、一般民事のノウハウで(さらに小規模な)一般民事系法律事務所に劣るところも多いと思われます。
このような意味で、個人の依頼者の方にとっての事務所選びの方が数段難しいと思います。
(4) ブティック系法律事務所
ブティック系法律事務所とは、企業法務専門の法律事務所であり、かつ、特定の分野に特化している法律事務所を指します。例えば、知的財産法のブティック、税法のブティック、ファイナンスのブティック、中国法務のブティック、ベンチャー法務のブティックなど挙げればきりがないほどあります。
下町ロケットで恵俊彰が演じていた弁護士が知的財産法のブティック法律事務所出身でしたね。そんなイメージです。
通常、弁護士費用は高いです。ただし、その分野における最先端の弁護士に依頼することができ、質の高いサービスの提供を受けられるため、最先端で難解な案件、緊急の案件、どうしても負けられない案件、一度は別の法律事務所でさじを投げられた案件などで法人・個人事業主の方が依頼することは多いのではないでしょうか。
(5) 企業法務系法律事務所
企業法務系法律事務所とは、中堅法律事務所より小規模(所属弁護士20名以下程度)の企業法務を主に扱う法律事務所を指すことが一般的と思われます。
企業法務系法律事務所は、顧問先企業の法律相談等を主な業務にしているところが多いです。ですので、顧問先企業がどのような系統か、また、どのような法的問題を抱えているのかによってその事務所の専門性が変わってくることが多いです。
(6) 一般民事系法律事務所
一般民事系法律事務所とは、 中堅法律事務所より小規模(所属弁護士20名以下程度)の一般民事事件を主に扱う法律事務所を指すことが一般的と思われます。
一般民事系法律事務所とはいえ、企業法務がゼロという事務所は少なく、企業法務系法律事務所とのボーダーははっきりとはしていません。
「あの先生は相続に強い!」「この先生は交通事故に強い!」など業界内にいれば噂は入ってきます。そして、そのような噂が広まればその分野の依頼がさらに舞い込み、ノウハウがさらに蓄積されるという構造になっています。
ですので、一般民事系法律事務所だからといって、一般民事事件についてどこに依頼しても同じということは決してありません。
では、どのように自分に合った法律事務所・弁護士を選べばよいのか?については別の記事で詳細を説明したいと思います。
(7) 刑事事件専門法律事務所
刑事事件専門法律事務所とは、刑事事件を専門的または主な業務として取り扱っている法律事務所を指します。私の認識では、刑事事件しか取り扱わない事務所もあるという認識ですが、多くは民事事件も取り扱っているはずです。
こちらは、今ニュースで話題になっている、カルロス・ゴーンの弁護人を務めている弁護士の事務所(法律事務所ヒロナカ)等を筆頭に複数存在しています。
機会があれば深堀したいと思います。
(8) 新興系法律事務所
新興系法律事務所とは、やや一般の方には理解しづらいかもしれませんが、近年TVCMや電車広告等を出している、過払金、B型肝炎、交通事故等を中心的に取り扱っている法律事務所を言います。
所属弁護士数や国内拠点数が多いのが概ねの共通点です。
あまり良い評判はないので実名は出しませんが、TV等に公告を打ちまくり、何も分からない個人の依頼者を相手に、もう少し頑張ればさらに有利な条件で和解できたのにそれをせず、一件当たりのスピードとコストを考え薄利多売式で売り上げを上げるスタイルのところが多いようです。
3 さいごに
今回は、法曹界で共通認識として持たれている法律事務所のタイプを個別に説明してみました。
少しは、法律事務所・弁護士の種類についてイメージが持てたのではないでしょうか?弁護士といっても所属する事務所や取扱業務によって様々であることが伝わったなら嬉しいです。
次は、個人の方向けに具体的な法律事務所の探し方・選び方についての記事を書いてみたいと思います。
最後までお付き合いいただきましてありがとうございました!またのご訪問をお待ちしております。
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